角膜上皮びらんとは、角膜上皮の一部が剥がれてしまっている状態のことを指します。角膜とは黒目のことを意味していて、眼球の外側の部分を形成している透明な膜のことです。眼球の膜は、角膜上皮、ボーマン膜、デュア層、角膜実質、デスメ膜、角膜内皮の6層から成り立っていて、水晶体のようにレンズの働きをしています。
びらんの症状がでる原因はいくつか挙げられます。まずは、コンタクトレンズを装着していることによる障害です。コンタクトを着けたまま寝てしまった場合や交換時期を守らなかった場合、掃除が十分でなかった場合に起こります。誤った使用をした場合にも目が傷つけられます。
次に、ドライアイによる障害です。エアコンなどによって乾燥することで角膜が傷つきやすい状態になることがあります。パソコンを長時間利用することでまばたきの回数が減って目が乾燥し、角膜が傷つくこともあります。さらに目を閉じるのが不十分な人は、角膜が露出する時間が増えるため傷つきやすくなります。顔面神経麻痺や外傷によるまぶたの損傷がある人も気を付けなければなりません。爪で角膜を引っ掻いてしまったり、逆さまつ毛や異物が入った場合にも擦り傷からびらんが生じる可能性があります。